信頼6
フリWOL中心(WOL総受け)


カオスは自ら呼び出した駒である戦士たちに住まう城を与えた。
それは各自の希望通りに変化するものだったのだが・・
セフィロスの住まいは決して城とは呼べない物。


戻って来たセフィロスは何かの気配を感じた。


「・・・・・・いたのか?」
「ええ、いましたよ。ずっと前からですね・・」


カオス側として召喚されたレオンハルト。
レオンハルトは皇帝の部下としているが普段は英雄の所に出入りしていた。
「お前の呼ばれた理由は・・・何だ?」 
セフィロスは問う。
「さあ・・・それを私に聞くのか?」
話を逸らしたつもりだが・・・
「まあ、いいだろう・・・」

「お前がどうであれ・・・カオスの戦士だ。それ以外には興味もないが・・・・・」

急に態度を変えるセフィロスに何も言えなかった。
毒気を抜かれたレオンハルトではある。



次元の狭間を彷徨っているのはコスモスの筆頭である光の戦士。
どうも同じ場所に戻っていた。
進んでも進んでも迷い込んだようだ。

(先から歩いているのに・・・・何故進まぬ?)


「どうした・・・光の者よ・・・負の感情むき出しでは先も
何も道すら見えないようだな?」
「お前は・・・・」

光の戦士を遮るように姿を現したのがゴルベーザ。
姿は薄着の状態である。


「ゴルベーザ・・・どうしてお前が・・・・・?」

剣を構えようとする光の者にゴルベーザが応えた。

「勘違いされても困る。私は別に戦うつもりもなければ誰にも手を貸す
つもりなど毛頭ない」

「では・・何故、私のところに?」
「今のお前は感情に流されていて人の意見を聞こうともしない。
周りが見えないから危険なのだ・・・」
「ゴルベーザ・・・私は敵側の人間だぞ?」

「お前は何に迷っているのだ?・・・ウォーリアよ」
「私は迷ってなど・・・・」
「だが・・・実際、迷っているではないのか?」
「違う・・・」
「いや、お前は仲間を守れなかった事に冷静さを失っている。それでは
敵の思う壺だ・・・・」

「・・・・何故、私に会いに来るのだ?ゴルベーザ・・・敵である
者など・・・・・見捨てればいいだろうに・・・」

「自棄になってはいけない・・お前に死んでほしくはない」
「何のために・・・?このような私など・・・・」

「お前は死ぬつもりだろう?光の戦士よ・・・あんな者と
刺し違えても命を散らせて誰が喜ぶと言うのだ?
愚か者だと気づかぬのか・・」

「・・・・・」
「どうやら図星のようか、だから危険なのだ!そなたを
失う訳にはいかない」

「・・しかし・・・」
「そなたを・・・止めても無駄のようだな?・・・ならば止むを得ない
出来ればそなたを眠らせようかと思案していたが・・・」

ゴルベーザは次元の道を開いた。

「さあ、行くがいい・・・ただし命は大事にするものだ」
「ゴルベーザ・・感謝する」




月の渓谷
この場所に秩序の戦士たちがテントを張っていた。
今はいない光の戦士の代わりに白魔導師ミンウが彼らを纏めていた。
ラグナが心配そうに呟く。

「本当に・・・大丈夫なんだろうか。あのお人は・・・」
「そうですね・・・・」

「よう、みんな元気のようだな」

ラグナとミンウの会話に割って入ったのは忌子と呼ばれるプリッシュ。

「うーん・・・一人を除いてはね・・・」
「そうなんだよな・・・」

「彼なら・・・先ほど傷も癒えたみたいですから大丈夫ですよ?」
「本当か?ミンウ・・・・」
「話はできるとは思いますが・・・あなたからぜひ話をして
あげてください」

頷いてプリッシュはフリオニールのいるテントに入る。







テントではフリオニールが起きていた。
傷はミンウの魔法により完治しているのだが精神的な痛みがある。
何よりのばらを奪われたことが衝撃なのだ。

「・・・・不覚だった・・・・俺の大事にしていた夢を・・・・・」

完治していると言っても体中の傷は残っている。
腕や手足だけでなく全身の傷を見て余計に落ち込むのであった。

「やっぱり・・・落ち込んでいるんだな」
「プリッシュ・・・・」

「悔やむなよ・・お前が悪いんじゃないんだからさ・・・・」
「だが・・・」
「ふ〜ん・・自分で取り返すつもりがないんだな?」
「なんだって・・・・・?」
「お前がそうだから・・・あいつは行ったぞ。いいのか・・?」
「まさか・・・」
「お前は・・それだから危なっかしくて見てられないんだよ!
それだから・・・」

「そんな・・・馬鹿な・・・・」
「お前さぁ・・・俺との約束果たしてないだろう?」
「・・・・」
「サードフォームはお前の一部で・・・潜在能力だろうけど・・だけどな。
お前は自分の意思を強く持たないと・・相手の思う壺だぞ?」
「判っている・・・・・だけど・・・」
「男なら言い訳するなよ・・・お前は俺と約束破るつもりか?
フリオニール・・・・」
「・・・・・・」

「そんな傷くらいお前の勲章だろう?そう思えば軽くなるんだ・・・
愛する奴を守れなくは何が戦士なんだよ?」
「・・・ごめん・・・・・」
「俺だって本当はお前をぶん殴りたいよ・・・だけどさ、そんなのでは
解決しないんだって・・・・」

「・・・・・・」

「どうした?フリオニール・・・・・」

「・・・何かすっきりした」

「うん、そうだよ・・お前はお前だろう?」
「あぁ・・・」
「ふふふ・・・その調子だぞ?忘れるなよな」

「その話は・・・ミンウだろう?」
「へえ・・・分かるんだ・・」

「俺は・・・ウォルを追いかける。そして・・・・・」
「ああ、行って来いよ・・あいつのことはお前に任せたからな!」



テントから離れた崖の上にフリオニールは立っていた。

「こんな所にいたのですね。探しましたよ」
「・・・・ミンウ・・・・・」
「何ですか?」
「昔から・・・ミンウには世話になりっぱなしだな。ごめん・・・」

「ふふふ・・・確かにあなたはいつも甘えていましたね・・それでも
私はあなたに賭けたのです。すべての夢も何もかも・・・」

ミンウといると何故かほっとするんだ。
それは俺の世界の人だからだろうが・・・・・
そうではない。
ミンウには何ががあるんだ。
だけど・・・俺は・・・・・

「ミンウ・・・手を貸して欲しいんだ・・・」
「ええ、そのつもりですが・・・」
「何か・・・あるのか?」
「私はアシストとしてあなたの力になりましょう。ですが・・手を貸すのは
彼らの数名を連れていきなさい・・」

ミンウの話に振り返ると其処には全員がいた。

「水臭いぞ・・・・フリオニール」
「そうだよ・・俺たちのことを忘れるなよな」
「仲間の言うことは聞くもんだよ?フリオニール君・・」

「みんな・・・・有難う・・・・」

みんなの気持ちが嬉しいんだ。
だけど俺は・・・・・・・・

結局、選んだのはミンウ、ファリス、セリスの三名だった。

「ちょっと!何よ・・・私は・・・」
「ごめん・・ティファ・・・」
「大丈夫ですよ。別行動ですから・・」

ティファにはユウナの説明で納得してもらった。

「なんーだ。てっきり女の子チームの結成かと・・・・」
「それってセクハラにならないか?」
「え・・・?」
「ライトニングってば、それは違うよ・・・」
「そうか?」



ライトニングはわざとなのかぼけたふりをしているが・・・
何故か仲間には癒される物があるんだよな。



「ウォル・・・・待っていろよ」






7へ〜



2011/12/04UP
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シリアスとギャグが入り混じっている・・・・・
フリオニールもまた仲間に癒された。
ミンウは何かを思いついたようだが・・・
ウォーリアの向かう先には敵の中。

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